MT5で複数ある注文方法の中でも、ストップリミット注文を理解したい初心者の方に向けた完全ガイドです。ストップリミット注文と他の注文方法(リミット注文・ストップ注文)との違いや、ストップリミット注文のメリットとデメリットも詳しく解説しています。
正しい注文方法を使って損を減らし、MT5の基本操作と注文方法を完全に理解した上で、自信を持ってエントリー・決済ができるようになるようご案内します。
リミット注文・ストップ注文・ストップリミット注文とは
MT4・MT5で利用できるリミット注文(指値注文)、ストップ注文(逆指値注文)の他に、MT5ではこの2つの注文を掛け合わせたストップリミット注文という方法があります。まずはそれぞれの注文方法の違いと詳細を、例を挙げて解説します。
リミット・ストップ・ストップリミット注文の違い
まずはリミット・ストップ・ストップリミットの語源は何でしょうか。簡単に解説します。
| 注文タイプ | 語源と概要 |
|---|---|
| Limit(リミット) | 語源 : 「限界/制限」 |
| Buy Limit : 現在価格より下がったら買う Sell Limit : 現在価格より上がったら売る 指定価格になったら成行注文 | |
| Stop(ストップ) | 語源 : 「止まる/きっかけになる」 |
| Buy Stop : 現在価格より上がったら買う Sell Stop : 現在価格より下がったら売る 指定価格になったら成行注文 | |
| Stop Limit(ストップ・リミット) | Buy Stop Limit : 価格が上に抜けたのを 確認してから、少し下の指値で買う Sell Stop Limit : 価格が下に抜けたのを 確認してから、少し上の指値で売る |
| 注文タイプ | 語源と概要 |
|---|---|
| Limit (リミット) | 語源 : 「限界/制限」 |
| Buy Limit : 現在価格より下がったら買う Sell Limit : 現在価格より上がったら売る | |
| Stop (ストップ) | 語源 : 「止まる/ きっかけになる」 |
| Buy Stop : 現在価格より上がったら買う Sell Stop : 現在価格より下がったら売る | |
| Stop Limit (ストップ・リミット) | Buy Stop Limit : 価格が上に抜けたのを 確認してから、 少し下の指値で買う Sell Stop Limit : 価格が下に抜けたのを 確認してから、 少し上の指値で売る |
リミット注文
リミット注文は指値注文とも呼ばれ、価格を指定して発注する方法です。買いの場合は現在より安い価格で発注し、売りの場合は現在より高い価格で発注します。指定した価格に達すると成行注文で発注されます。

- 現在価格が1USD150.00円で、「相場が下落しそうだから、149.95円になったら購入」と買い注文を発注
- 「1USD150.00円で買ったポジションを、1USD150.55円になったら売却」と売り注文を発注
注文方法は簡単で、「銘柄」「タイプ(注文タイプ)」「Buy Limit (もしくはSell Limit)」「数量」「価格」を入力します。「Stop Loss」「Take Profit」「期限」の入力は任意です。それぞれ入力して間違いがないか確認後「注文」をクリックするだけです。

注文方法は簡単で、銘柄と注文タイプを選択した後に「Buy Limit (もしくはSell Limit)」「価格」をそれぞれ入力して「発注」をタップするだけです。「ストップロス」「テイクプロフィット」「有効期限」の入力は任意です。

ストップ注文
ストップ注文はリミット注文同様、価格を指定して発注する方法です。ただしリミット注文とは逆の発想で「今より高くなったら買う」または「今より安くなったら売る」という方法で発注します。
一見不利な方法に見えますが、損切りやトレンドフォロー、ブレイクアウトという手法で活用されます。

- 「現在価格が1USD149.95円で、150.50円を超えたら上昇トレンドと判断して買う」などトレンド上昇を期待して価格設定
- 「現在価格が1USD150.52円で、140.50円まで下がったら諦めて売る」という損切りに使用
リミット注文と同じく、指定した価格に達すると成行注文で発注されます。リスク管理や戦略的なトレードに用いられている注文方法といえるでしょう。
こちらも注文方法は簡単で、「銘柄」「タイプ(注文タイプ)」「Buy Stop (もしくはSell Stop)」「数量」「価格」を入力します。「Stop Loss」「Take Profit」「期限」の入力は任意です。それぞれ入力して間違いがないか確認後「注文」をクリックするだけです。

こちらも注文方法は簡単で、銘柄と注文タイプを選択した後に「Buy Stop (もしくはSell Stop)」「価格」をそれぞれ入力して「発注」をタップするだけです。「ストップロス」「テイクプロフィット」「有効期限」の入力は任意です。

ストップリミット注文
ストップリミット注文はストップ注文とリミット注文を組み合わせた注文方法です。「○○円になったら指値注文を自動発注する」という形で、2段階の価格設定を行います。この2つと異なる点は以下の通りです。
| 注文方法 | 概要 |
|---|---|
| ストップ注文 | 指定した価格になったら成行注文 |
| リミット注文 | |
| ストップリミット注文 | 指定した価格に達したら指値注文を自動発注 |
指値注文の前にもう一段階価格を指定するので、ストップリミット注文は2つの価格を指定する必要があります。
まずは買いストップリミット注文の例を見てみましょう。

現在価格1USD150.80円の時、153.00円を超えた時点で次に151.50円まで下がったら買うという指値注文を出す。
「153.00円突破 = 上昇の勢いがあると確認できた。しかし突破直後は勢いで高くなりすぎることが多い」と考え、少し落ち着いた後に151.50円まで価格が下がってきたところで買った方が賢明だと判断した例です。
次に売りストップリミット注文の例は以下の通りです。

現在価格1USD151.80円の時、150.30円を下回った時点で次に151.00円まで反発して上がったら売るという指値注文を出す。
価格が下がりながらも一時的に戻るタイミングがよくあるので「下落が始まったのを確認した上で、戻りで高めに売りたい」時の注文方法です。ただし価格が戻らずそのまま下がっていったら約定できない点に注意が必要です。
ストップリミット注文のメリット
ストップリミット注文は、リミット注文とストップ注文の良いところを持ち合わせています。
例えば現在価格1USD150.00円の時に「150.50円を抜けたら上昇トレンドに乗ったと思うが、150.60円より高くなったら買いたくない」と判断した場合に使えるのが、ストップリミット注文 です。150.50円を超えた時点で150.60円になったら購入という注文が出せます。トレンドに乗れて、リスクも抑えられるというのが魅力です。
ストップリミット注文のデメリット
ストップリミット注文は、指定した価格で約定しないことがあるというのも重要です。
例えば現在価格1USD151.80円の時、150.30円を下回った時点で次に151.00円まで反発して上がったら売るという指値注文を出しても、下回った後に151.00円まで戻らないこともあります。
この場合150.00円まで戻らないため売れず、利益を逃すだけでなく損失が増える可能性もあるというリスクもあります。
MT5(メタトレーダー5)でストップリミット注文を発注する方法【PC版】
PC版MT5でストップリミット注文を新規注文する方法は「ツールバーから表示」「メニューバーから表示」「チャート右クリックから表示」の3種類です。それぞれ画像付きで解説します。
ツールバーから新規注文表示
MT5画面上部のツールバーに表示されている「新規注文」をクリックします。

メニューバーから新規注文表示
MT5画面上部に表示されているメニューバーの「ツール」から「新規注文」をクリックします。

チャート右クリックから新規注文表示
MT5チャート上で右クリック後に表示される「プライスボード」から「新規注文」をクリックします。

新規注文をする
新規注文画面が開いたら銘柄を入力し、「指値注文」を選択します。次に「Buy Stop Limit」(買いストップリミット注文)もしくは「Sell Stop Limit」(売りストップリミット注文)を選択しましょう。

続いて「数量」に取引したい数量を入力します。「価格」に注文を発動させる価格、「Stop Limit値」に取引する注文価格を入力します。
また決済指値価格をここで入力することも可能です。入力する場合は「Stop Loss」に希望する損切り価格、「Take Profit」に利益を確定する価格をそれぞれ入力してください。
入力した数字に誤りがないかを確認後「注文」をクリックして、新規注文は完了です。

MT5(メタトレーダー5)でストップリミット注文を発注する方法【スマホ版】
まずMetaTrader5にログイン後、「気配値」画面で取引する銘柄をタップします。

「トレード」を選択します。

次に「成行注文」をタップすると、他の注文方法も表示されます。「Buy Stop Limit」(買いストップリミット注文)もしくは「Sell Stop Limit」(売りストップリミット注文)を選択しましょう。

「価格」に注文を発動させる価格、「ストップリミット価格」に取引する注文価格を入力します。
また決済指値価格をここで入力することも可能です。入力する場合は「ストップロス」に希望する損切り価格、「テイクプロフィット」に利益を確定する価格をそれぞれ入力してください。
入力した数字に誤りがないかを確認後「発注」をタップして、注文は完了です。

MT5 ストップリミット注文に関するFAQ
MT5 ストップリミット注文に関する質問をまとめます。
- ストップリミット注文とは何ですか?
-
ストップリミット注文は、今後の値動きを予測して「○○円になったら指値注文を自動発注する」という形で注文価格をあらかじめ指定して、2段階の価格設定を行う注文方法です。詳しくは本記事内のストップリミット注文で例を挙げてわかりやすく解説しています。
- ストップリミット注文はMT4でも使えますか?
-
ストップリミット注文はMT5のみで使用できます。なおリミット注文(指値注文)とストップ注文(逆指値注文)はMT4・MT5でご利用いただけます。
- buy stopとbuy stop limitの違いは何ですか?
-
buy stopは「指定価格になったら成行注文をする」のに対し、buy stop limitは「指定価格になったら、上限価格を決めて指値注文を自動発注」というようにプロセスがもう一段階追加される方法です。
- ストップリミット注文のメリットとデメリットを教えてください。
-
リミット注文とストップ注文の良いところを持ち合わせているのが、ストップリミット注文のメリットといえます。
例えば現在価格1USD150.00円の時に「150.50円を抜けたら上昇トレンドに乗ったと思うが、150.60円より高くなったら買いたくない」と判断した場合に使えるのが、ストップリミット注文 です。150.50円を超えた時点で150.60円になったら購入という注文が出せます。トレンドに乗れて、リスクも抑えられるというのが魅力です。
しかし指定した価格で約定しないことがあるという点も大切なポイントです。
例えば現在価格1USD151.80円の時、150.30円を下回った時点で次に151.00円まで反発して上がったら売るという指値注文を出しても、下回った後に151.00円まで戻らないこともあります。この場合151.00円まで戻らないため売れず、利益を逃すだけでなく損失が増える可能性もあるというリスクもあります。
- ストップリミット注文を使うときの注意点はありますか?
-
早朝や深夜など流動性が低い時間帯は価格が飛びやすく、注文が成立しないことが多くあります。
また普段1円程度の変動が見られる通貨に0.1円の幅を持たせる発注をすると、成立せず損失が大きくなる恐れもあります。
相場の状況や価格変動を考慮してストップリミット注文を使いましょう。





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