「ビットコインって聞いたことはあるけど、正直よくわからない。」
「ビットコインってニュースで見かけるけど実際何?」
「怪しい仮想通貨でしょ?」
そんな疑問を抱えていませんか?
たしかにビットコインは値動きが激しい投資対象として注目されています。でもそれだけじゃありません。 ビットコインは世界を変える可能性を秘めた、新しいお金のカタチなんです。
この記事では難しい専門用語は抜きにして、
- そもそもビットコイン(BTC)とは何なのか?
- 今日までのビットコインの仕組みや歴史
- ビットコインのメリットとデメリット
といった、ビットコインの基礎知識を1から分かりやすく解説していきます。
ビットコインを投機対象として捉えている方も、ファンダメンタルズ分析の前提知識となるので、しっかり抑えておきましょう。
ビットコイン(BTC)とは?
ビットコインの基本情報
ビットコインの特徴 | |
---|---|
分散化 | 中央銀行や政府による管理がない |
ブロックチェーン技術 | 取引履歴を安全に記録 |
有限供給 | 最大2100万BTCに制限 |
匿名性 | 実名不要で取引可能 |
グローバル性 | 境を越えて迅速かつ低コストで送金可能 |
ビットコインは、2009年に誕生した世界で最初の仮想通貨です。銀行や政府が管理していない新しい形のお金として注目されています。
またビットコインは世界中で約1億人(世界人口の1.3%)が利用しており、多くの国で法的に認められています。日本では2017年4月の資金決済法の改正により、安全に取引できる法的基盤が整いました。
ビットコインの仕組み(ブロックチェーンとは?)
ビットコインが安全で信頼できる理由は、その背景にある「ブロックチェーン」技術にあります。
ブロックチェーンとは、ビットコインの取引データを記録した帳簿のかたまり(ブロック)が鎖(チェーン)状に繋がっていることから名付けられた仕組みのことです。同じデータを複数の場所に分散して管理しているため、分散型台帳とも呼ばれます。
誰かがビットコインを使ってお金を送った場合、その取引はブロックチェーンに記録されます。この取引の情報は世界中の何千台ものコンピューターにコピーされます。
さらにこの記録は約10分毎の取引をひとまとめにして暗号化するため、もし誰かが昔のデータを書き換えたとしても、その後のデータとの辻褄が合わなくなり、他の人から不正を指摘されてしまいます。
ビットコインの仕組みは、みんなで協力して大きなノートを管理するようなものです。この方法で、銀行や政府がなくても安全にお金のやりとりができるんです。
ビットコインと法定通貨は何が違う?
ビットコインと法定通貨はどちらもお金として使えますが、以下の4つの違いがあります。
- 発行元の違い
ビットコイン:特定の誰かが発行しているわけではなく、世界中のコンピュータで管理されています。
法定通貨:各国の政府や中央銀行が発行しています。 - 形の違い
ビットコイン:デジタル上だけで存在します。
法定通貨:主に紙幣や硬貨などで存在していますが、デジタルのお金もあります。 - 管理方法の違い
ビットコイン:ブロックチェーンという技術を使って、たくさんの人たちが一緒に取引を記録しています。
法定通貨:銀行や政府が管理して、どんな使い方をしているのかを確認しています。 - 信頼性の違い
ビットコイン:暗号技術によって安全を保たれていますが、価値の変動は激しいです。
法定通貨:政府が後ろ盾をしているため信頼性が高く、価値が安定しています。 - 利用できる場所の違い
ビットコイン:受け入れてくれる場所でしか使えません。
法定通貨:発行国内ならどこでも使えます。
ビットコインと法定通貨の大きな違いは、管理の仕方や使い方です。
法定通貨は国が管理していて安定していますが、ビットコインは新しい技術を使って誰も管理せずに動いています。
またビットコインはまだ新しいお金なので、使える場所が限られていたり、価値が大きく変わったりすることがあります。
ビットコイン(BTC)のメリットとデメリット
ビットコインと法定通貨の違いにより、具体的にどのようなメリット・デメリットが発生するのでしょうか?利用者や投資家目線でまとめました。
ビットコイン(BTC)のメリット
- ネットで簡単に送金可能
- 24時間365日利用可能
- 国境を越えた送金も簡単
- 迅速な送金
- 手数料が安い
- 透明性が高い
ブロックチェーンという非中央集権的な仕組みで成り立っているビットコインは、銀行などの仲介者がいなくても送金できるため、既存の送金システムの弱点を解消できます。
ビットコイン(BTC)のデメリット
- 価格変動が激しい
- ハッキングのリスクがある
- 法規制が不十分な部分がある
- マイニングの電気消費による環境負荷
- スケーラビリティ問題*が発生する可能性がある
*スケーラビリティ問題とは「たくさんの人が同時に使おうとしたときに起こる問題」のこと。取引処理能力以上の取引が行われた場合、取引の処理に時間がかかったり、手数料が高騰する可能性があります。
世紀の発明ともいえるビットコインですが、法定通貨に比べるとまだ整備が行き届いていない部分が多く、価格変動も不安定です。
「利用の際はそれらのリスクを踏まえる」「投資の際はポートフォリオの比率を下げる」など、利用者は自分なりのリスク管理を行う必要があります。そのためにも、ビットコインの「誕生からの歴史」や「価格の推移」など、現在に至るまでの流れをしっかり抑えておきましょう。
ビットコインの歴史と価格の推移
- 2008年10月31日:ビットコインの論文公開
2008年9月に発生したリーマン・ショックを背景に、サトシ・ナカモトを名乗る者が『Bitcoin: A Peer-to-Peer Electronic Cash System』という論文を発表。 - 2009年1月3日:最初の50BTCが生成される
ジェネシスブロック(ブロック0。チェーンの開始ブロック)をマイニングし、最初の50BTCが生成されビットコインが誕生。 - 2009年1月3日:誰でもビットコインが利用可能に
サトシ・ナカモトが、ビットコインのクライアントソフト(現ビットコイン・コア)を一般公開したことで、誰でもビットコインが利用可能になる。 - 2009年1月12日:初のビットコイン送金が実施
サトシ・ナカモトがハル・フィニーに10BTCを送金し、初めてのトランザクション事例となる。その後オンラインコミュニティーを中心に徐々に注目されるようになっていく。 - 2009年10月:ビットコインの価格が初めて提示される
初のビットコイン取引所「New Liberty Standard(ニュー・リバティー・スタンダード)」が、マイニングにかかる電気代から価格を算出し、1BTC=約0.07円という価格が初めて提示される。 - 2010年5月22日:ビットコイン・ピザ・デー(初の商取引)
アメリカ・フロリダ州でプログラマーのラズロ・ハニエツが1万ビットコインで2枚のピザを購入。ビットコインを使用した最初の商取引が発生したことになる。当時の価格は1BTC=約0.2円。 - 2010年7月18日:Mt GoXがビットコイン取扱い開始
ビットコイン取引所「MtGox(マウントゴックス)」がサービス開始し注目度が高まる。1BTC=約7円まで上昇。 - 2010年08月15日:ビットコイン不正発行
ビットコインのバグを悪用した何者かが、1,840億BTCを不正に発行する。その直後にバグは修正、不正発行されたコインは消滅。 - 2011年3月:Tibanne社がMt GoXを買収
東日本大震災が発生したころ、日本のTibanne社がMt GoXを買収。1BTC=70円台まで高騰。 - 2011年4月16日:タイムズ誌がビットコインを特集
タイムズ誌でビットコインが特集され一気に知名度が急拡大。1BTC=約1,500円まで急騰。2009年に初の価格定時があってから1年半で2万倍以上も価値が上がったことになり、世界的な注目を集めるようになる。 - 2011年4月18日:初のアルトコイン「ネームコイン(Namecoin)」が誕生
- 2011年4月26日:サトシ・ナカモトが消息を絶つ
「他にやることができた」というメッセージを残しサトシ・ナカモトが消息を絶つ。 - 2011年6月15日:WikiLeaksがBTCの寄付募集を開始
- 2011年6月19日:Mt GoXハッキング事件
Mt GoXがハッキングを受け、ビットコインのセキュリティに対する不安が広がる。2011年末には1BTC=300円台まで下落。 - 2012年11月28日:ビットコイン初の半減期を迎える
ビットコインのブロック採掘報酬が50BTCから25BTCに減少。1BTC=1,000円台まで回復。 - 2013年3月16日:「キプロス危機」発生
キプロスで発生した金融危機により、法定通貨のヘッジ資産を求める動きが加速。非中央集権的な仕組みを持つビットコインが再度注目される。この時の価格は1BTC=約4,500円。3月28日にはビットコインの時価総額が10億ドルを突破。 - 2013年4月1日:ビットコインの価格が100ドルを超える
- 2013年10月:百度がビットコイン決済を採用
中国の大手検索サイト「百度(バイドゥ)」がビットコイン決済を採用。1BTC=約1万5,000円まで上昇。 - 2013年11月18日:ビットコインの価格が500ドルを超える
- 2013年12月4日:NHKがビットコイン特集を放映
NHKでビットコイン特集が放映され、日本での知名度も上昇。価格は急騰し、一時1BTC=12万円を突破。 - 2013年12月5日:中国政府がビットコイン取引の禁止を発表
中国政府のビットコイン取引禁止を発表したことにより勢いが落ち、1BTC=約7万5,000円まで下落。 - 2014年2月7日:Mt GoX経営破綻
Mt GoXが再びハッキング被害を受け、当時400万ドルに相当する85万BTCを盗まれていたことが判明。Mt GoXはビットコインの引き出しを停止し、同月中に経営破綻。この事件をきっかけに、1BTC=1万8,000円台まで急落します。 - 2014年12月11日:米マイクロソフトがビットコイン決済開始
マイクロソフトがビットコイン決済を採用。1BTC=4万円前後まで回復。 - 2015年10月:欧州でビットコインが支払い手段として認定される
欧州司法裁判所でビットコイン取引はVATの課税対象外であるという見方が示される。これにより正式に支払い手段として認められ、税制面での問題がクリアに。年末には1BTC=5万円前後まで上昇。 - 2016年5月25日:日本で仮想通貨を定義する改正資金決済法が成立
- 2016年7月9日:ビットコイン2度目の半減期
採掘報酬が25BTCから12.5BTCに減少。1BTC=約7万円まで上昇。 - 2016年8月2日:Bitfinexで約12万BTCが不正流出
暗号資産取引所Bitfinexが約12万BTCの盗難被害を受け、1BTC=約6万円まで下落。しかしその後持ち直し、年末には1BTC=約11万円まで上昇。 - 2016年11月8日:米国大統領選挙で共和党ドナルド・トランプが当選
- 2017年1月4日:1BTC=1,159ドルまで急伸、約3年ぶりに史上最高値を更新
- 2017年4月1日:「改正資金決済法等」施行
日本で改正資金決済法が施行され、「仮想通貨」が法律で明文化。日本でサービス提供する取引所は金融庁・財務局への登録が必要となり、顧客の本人確認が義務化される。当時の価値は1BTC=約12万円。 - 2017年8月1日:ビットコインキャッシュ誕生
ビットコインの開発者とマイナーが対立。ブロックチェーンを分岐させ、新しい仮想通貨「ビットコインキャッシュ」が誕生。価格の急落が懸念されるも杞憂に終わり、1BTC=約45万円まで上昇。 - 2017年12月17日:米CME、ビットコイン先物取引を開始
アメリカの先物取引所「CME(シカゴ・マーカンタイル・エクスチェンジ)」がビットコインの先物取引を開始。ビットコインの価格が20,089ドルまで急伸し、当時の史上最高値を記録する。 - 2018年1月:Facebookで仮想通貨の広告掲載が禁止
- 2018年1月26日:コインチェックから580億円相当の仮想通貨ネムが不正流出
- 2018年3月:GoogleとTwitterで仮想通貨の広告掲載が禁止
- 2018年9月:「Zaif(ザイフ)」から67億円相当の仮想通貨3銘柄が不正流出
- 2018年12月:同年1月のピーク時から70%近く下落
大手プラットフォームでの広告掲載禁止、相次ぐハッキング時間で相場が急落。1月の1BTC=約110万円から、12月には1BTC=30万円台まで下落。 - 2019年3月15日:日本での呼称が仮想通貨から暗号資産へ
金融商品取引法と資金決済法の改正案が閣議決定、ビットコインなど仮想通貨の呼称が「暗号資産」に変更。 - 2019年11月22日:中国政府が暗号資産取引を取り締まる新たな規制を開始
一時は約100万円まで回復していたが、中国政府が暗号資産取引を取り締まる新たな規制を開始させたことなどを受け、1BTC=約80万円まで下落。 - 2020年3月11日:WHOによる新型コロナウイルスに関する発表
WHOが新型コロナウイルスについて「パンデミックの状態にある」と発表。金融市場全体に不安が広がり、1BTC=約52万円まで下落。当初は将来への影響が不安視されたが、各国政府による大規模な金融緩和策などの効果により、ビットコインの価格は再び上昇していく。 - 2020年5月12日:ビットコイン3度目の半減期
採掘報酬が12.5BTC→6.25BTCに減少。1BTC=約100万円まで上昇。 - 2020年12月16日:BTC価格が2万1,458ドルまで急伸、過去最高価格を3年ぶりに更新
- 2021年2月:米テスラが約1600億円相当のビットコインを購入
米テスラが約1600億円相当のビットコインを購入したことなどを受け、1BTC=約490万円まで上昇。 - 2021年4月14日:米コインベースがナスダックに直接上場
米国のコインベースが仮想通貨取引所として初めてナスダックに直接上場し、1BTC=約690万円まで上昇。 - 2021年5月12日:米テスラがビットコイン決済の受け入れ中止を表明
- 2021年5月21日:中国金融委員会がビットコインマイニングと取引の取締りを強化
中国金融委員会のビットコイン取り締まり強化の方針を表明。テスラに続くネガティブニュースにより1BTC=約400万円まで下落 - 2021年9月7日:中米エルサルバドルがビットコインを正式な法定通貨に
エルサルバドルで「ビットコイン法」が施行され、ビットコインを法定通貨と定める初の国となる。市場は再び強気相場へ突入し、1BTC=約755万円まで上昇。 - 2021年7月23日:夏季オリンピック東京大会が開幕
- 2021年10月15日:SECがビットコイン先物ETFの申請を承認
米SEC(米国証券取引委員会)が初めてビットコイン先物ETFの申請を承認。11月には6万8,789ドルまで急伸、当時の史上最高値を記録。 - 2022年2月24日:ロシアがウクライナに軍事侵攻を開始
ロシアがウクライナに軍事侵攻を開始したことを受け、1BTC=約430万円まで下落。 - 2022年5月9日:テラショック
ステーブルコインのテラが「1ドル=1UST」の価格を維持できなくなるという問題が起き、テラに対する信用が低下。1BTC=約515万円から1BTC=約380万円まで暴落。 - 2022年7月20日:米テスラが保有するビットコインの75%を売却したと発表
- 2022年8月26日:FRBのパウエル議長が利上げを継続する意思を表明
- 2022年11月11日:大手暗号資産取引所FTXが経営破綻
- 2022年11月:1BTC=15500ドルまで下落
相次ぐネガティブニュースで1BTC=約230万円まで暴落。 - 2023年6月15日: ブラックロックがBTC現物ETFを申請
世界最大の資産運用会社「ブラックロック(BlackRock)」が、ビットコイン現物に投資するETFの上場を申請する。以降さまざまな形で金融機関の暗号資産参入の動きが活発化。1BTC=約450万円まで上昇。 - 2024年1月10日:SECがビットコイン現物ETFの申請を承認
米証券取引委員会(SEC)がビットコイン現物ETFを承認すると発表 - 2024年3月14日:約2年ぶりに史上最高値を更新
現時点での史上最高値7万3,679ドルを記録。当時のレートで換算すると1BTC=約1090万円。
この上昇は「2024年1月の米国現物ETF承認」「マイクロストラテジー社のビットコイン買い増し」「4月20日に迫る4度目の半減期」など、複数の好材料が重なったことが背景にあります。
以上、ビットコイン誕生からの歴史と価格の推移でした。この流れを押さえておけば、より深くニュースを理解でき、将来の予測に役立ちます。
ビットコインに関するよくある質問
ビットコインとは具体的に何ですか?分かりやすく教えてください。
ビットコインは、2009年に誕生した世界で最初の仮想通貨です。「ブロックチェーン」という非中央集権的な仕組みを持ち、優れた安全性や透明性から新しいお金の形として注目されています。
ビットコインの将来性を教えてください。
ビットコインの認知度や普及率は年々高まっており、将来的には需要の増加や成長が期待されています。一方で価格変動は激しく、技術面や法整備もまだ不完全です。
投資を検討する際はこれらの要素を総合的に考慮し、リスクも十分に理解した上で判断することが重要です。
ビットコインは危険ですか?
ビットコインにはリスクがありますが、適切な対策を講じることでそのリスクを軽減することができます。
ビットコイン利用の際には、以下のようなリスクを留意しておきましょう。
- 価格変動のリスク
- ハッキングのリスク
- 詐欺のリスク
- 法規制のリスク
前述のビットコインの歴史からも分かる通り、突然のニュースで激しい価格変動が起こるリスクは常に存在します。
またオンラインで管理されている仮想通貨は、ハッキングのターゲットになりやすく、個人としても取引所としても警戒が必要です。個人の場合はアカウント管理を怠ると、資金の流出や詐欺被害につながる可能性もあるので注意しましょう。
さらに国や政府が新たに法規制をかける場合、価格の変動はもちろん、口座管理の方法や税制面での影響を考慮する必要がでてきます。
ビットコインウォレットとは?
ビットコインウォレットは、ビットコインを保管、送信、受信するためのデジタルツールです。簡単に言うと、ビットコインを安全に管理するための「デジタル財布」のようなものです。
ビットコインウォレットはオンラインウォレット、モバイルウォレット、デスクトップウォレット、ハードウェアウォレット、ペーパーウォレットなどいくつかの種類があります。
ビットコインは現金化できますか?
ビットコインは取引所や販売所、ビットコインATMで現金化できます。
ビットコインを購入するにはどうすれば良いですか?
ビットコインを購入するには、まず暗号資産取引所で口座を開設し、その後、購入資金を入金してビットコインを買うことができます。
また投機目的でビットコインを購入したい場合は、暗号資産CFDを提供する証券会社がおすすめです。
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